10〜12月は印刷も配送も詰まりやすい季節。年末の遅配・祝日・工程待ちを見越し、 「いつまでに何を決めるか」 を逆算で可視化するのが事故ゼロへの近道です。
本記事では、発注者が押さえるべき3+1つの締切(紙の確保/データ入稿/校了/支払い)を、営業日換算で自動算出できるテンプレとともに解説します。
テンプレ(Excel/Googleスプレッド対応): 年末進行 逆算カレンダー v1.0 2025年版 ↓
目次
このテンプレで分かること(発注者が見るのはここだけ)
スケジュールシートの黄色背景🟨
- 紙の確保:相談・発注期限 … 特殊紙・高級紙・再生紙は +1営業日 余裕を
- データ入稿:入稿期限(最遅) … データチェック(既定0.5日)+想定修正日数を考慮
- 校了(最終OK):受付期限 … ここを過ぎると納期が動く可能性大!
- 支払い期限(校了後) … 目安 +3営業日 (調整可)
すべて土日+「休業日」シートの祝日を除外して計算します(
WORKDAY
関数)。
使い方(3分で完了)
- [設定]シート
- 案件タイプ:冊子/チラシ・ペラ/DM
- 納品日(D0)・配送日数(平時)・ 年末バッファ(日) を入力
- 用紙カテゴリ:一般紙(1日)/特殊・高級・再生紙(2日)
- 紙バッファ(日):在庫・繁忙時の上乗せ
- データチェック時間(日):既定0.5
- 校正→校了 日数(想定):既定1(修正や再入稿を見込む)
- データ入稿にかかる日数:既定1
- 発注後の支払い期限(日):既定3
- [休業日]シート
- A2以降に会社の休業日・祝日を入力(任意)
- [スケジュール]シート
- 工程一覧・開始日・終了日が自動表示
- 右上の 「お客様向け締切(自動)」 に、上記4つの締切がまとまります
逆算の考え方(この記事の基本ロジック)
- 納品日(D0)から配送日数+年末バッファを引いて出荷日を決定
- 工程(印刷・後加工・梱包など)を出荷日に向けて営業日で逆算
- 発注者の締切は次のように抽出
- 紙の確保=「紙手配開始日」
- 入稿期限=「校正開始日」から データチェック+校正→校了想定 を営業日で逆算
- 校了(最終OK)=「校正完了日」
- 支払い期限=校了日から指定営業日を加算
案件別の目安(初期プリセット)
- 冊子
- 用紙:一般紙が多いが、マット・高級系は2日想定
- 校正→校了:1〜2日(修正を見込むと2日推奨)
- チラシ・ペラ
- 用紙:一般紙(上質・コート)が中心
- 後加工が少なければ工程は短くなるが、配送は年末や大型連休ほど読みにくい
- DM
- 可変印字・仕分けの時間を忘れず逆算
- 宛名データの整備のため一番初めに入稿する必要あり
よくある詰まり所と回避策
- 紙が押さえられない → 用紙カテゴリを先に確定。特殊・高級・再生紙は +1日 見て相談を早める
- データ不備が出やすい → 入稿ガイド(トンボ・塗り足し・フォント)を共有。チェック0.5日は最低確保
- 修正が長引く → 校正→校了 日数を2〜3日に引き上げ、入稿期限を手前に
- 配送が読めない → 年末最終週の着日は前週に前倒しが基本線
例:冊子(2,000部)/納品12月20日(金)の場合
- 納品(D0)= 12/20(金)
- 配送=本州1日+年末バッファ1日 → 出荷=12/18(水)
- スケジュール自動計算 → 校正開始=12/13(金)/校正完了=12/16(月)
- 設定:データチェック0.5日/校正→校了1日/入稿作業1日
- 入稿期限(最遅)=12/12(木)
- 入稿作業開始の目安=12/11(水)
- 紙の確保(相談・発注)=12/10(火)(一般紙1日想定)
- 支払い期限=12/19(木)(校了+3営業日)
すべて土日+休業日を除外して算出。
ダウンロード & 使い回し方
- テンプレDL:
年末進行 逆算カレンダー- Excelはそのまま/Googleドライブへアップ後「Googleスプレッドシートで開く」でOK
まとめ
- 見るべき締切は「紙/入稿/校了/支払い」 の4点だけ
- テンプレで納品から逆算し、土日・祝日を除外して現実的な期限に
- 迷ったら、校正→校了と配送のバッファを1日ずつ厚くするのが安全
著者メモ(運用のコツ)
- 案件の初回ヒアリングで、用紙カテゴリと入稿の想定体制(誰が修正するか/何回まで対応か)を先に合意。
- 毎回の案件で出た“詰まりポイント”は設定の既定値に還元し、次回以降の初期値を育てる。
最後に
弊社のスケジューリングをもとに作成しました。
正直、余裕を持った計算になっており、この計算で案件を進めていただくと遅延する恐れはほぼないと考えております。
もう少しタイトなスケジュールで対応してほしいといったご相談ございましたら、気軽にご連絡ください。