印刷物発注者は気にしなくても、印刷会社が考えてくれていることが多々あります。
その中のひとつに紙の目があります。
僕らが普段扱っている紙は、実はただの平らな板じゃなくて「流れ目」っていう性質を持っています。
これは、紙を抄紙機という機械でパルプを一定方向に流しながら作るからです。
繊維が揃う方向ができるので、それを「紙の目」と呼びます。
この目の向きが、印刷や加工の仕上がりに大きく関わってきます。
紙の目2種類

- 縦目(T目):紙の長辺に沿って繊維が流れているもの。
業界では、例えば寸法だと「788×1091mm」と小さい数字を先に書きます。 - 横目(Y目):短辺に沿って繊維が流れているもの。
こちらは「1091×788mm」と大きい数字を先に書きます。
同じ原紙からでも、シート状にカットする時の方向で縦目・横目が決まります。
紙の目特徴
そして、この「流れ目」が紙の扱いやすさに直結します。
- 目に沿っては、まっすぐ破れるし折りやすい。折り目も割れにくい。
- 逆に目に直角だと、破りにくいし折ると割れやすい。
さらに湿度の影響で、繊維が伸びたり縮んだりします。
このとき特に「流れ目と垂直方向」に伸縮が大きく、場合によっては紙が反ってしまうこともあります。
なので、保管時には湿度管理がとても重要。
印刷会社としては、この点を無視できません。
企画で考えること
制作する印刷物を想像してみてください。
- 紙を反らしたくない
- 冊子を作る
- 印刷後の加工をする
当てはまった方は、紙の目にも気をつけてほしいです。
印刷会社に仕様を頼めば考慮してくれる会社さんもありますが、大手の安価なネット印刷では、他製品と合わせて印刷する都合上、紙の目を無視して印刷することもあります。
また、そこまで考えが及んでいない印刷会社さんは指定しないと印刷会社都合で印刷されちゃいます。
いい印刷物を仕上げてもらうために、紙の目についても一言添えてもらうといいでしょう。
それで対応してくれない印刷会社はプロ意識がないと思うので、こだわりを持って印刷物という製品を作りたい方は他社や私にご連絡いただけるといいと思います。
大手さんに比べて安価にはできませんが、精一杯対応させていただきます。