アートポスト紙 ― 光沢と厚みの“頼れる定番”

会社の窓口で仕事をしていると、「今日中にほしい」という来客は珍しくありません。
そして、そんな時こそ紙選びのセンスが問われます。

アートポスト紙は、表面にコート剤が多く塗布された“塗工紙”の一種。
光沢があり、発色がよく、一定の厚みがあるため、名刺やポストカード、冊子の表紙などによく使われます。
いわば「見た目と強度の両立」ができる万能選手です。


現場ストーリー:急な居酒屋メニュー制作

先週の土曜日。昼過ぎに、見知らぬ居酒屋の店主が会社に飛び込んできました。
「今日中にドリンクメニューを作ってほしい」と。

打ち合わせを始めたのは15時。
デザインから印刷まで、わずか2時間半。
通常なら到底難しいスケジュールです。

しかし、話を聞くうちに、「今日オープンなのにメニューがない」とわかりました。
一瞬で腹をくくり、テンプレートをベースにデザイン → 在庫のある用紙で印刷することに決定。

ラミネート加工までは物理的に難しい。
だからこそ、「丈夫で光沢があり、写真が映える紙」を選ぶ必要がありました。
選んだのが――アートポスト紙です。


なぜアートポスト紙を選んだのか

お店の雰囲気、扱っているお酒の種類、そして店主の名刺の質感を見て、直感しました。
「この店には、少し光沢があって、写真が生きる紙が合う。」

アートポスト紙は発色がよく、写真入りメニューにはぴったり。
そして、しっかりした厚みがあるため、ラミネートをしなくても一定の耐久性があります。
“緊急対応”の中で、この紙はまさに救いの一枚でした。

印刷が終わり、手渡した瞬間の店主の笑顔。
「間に合った!すごい…ほんと助かった!」
その一言に、現場の全員がほっとしたのを覚えています。


経営者として感じたこと

印刷は、ただの作業ではありません。
お客様の「想い」を形にすること。
そして、紙はその“想い”を支える土台です。

時間がない中でも、紙を理解していれば「最適解」を導き出せます。
どんなにデジタル化が進んでも、紙が持つ“信頼感”や“温度”はなくなりません。

今回のような緊急案件でも、アートポスト紙が「現場を救う選択」になった。
それは、紙を知る私たち印刷人の強みだと思っています。


まとめ ― 紙一枚が、想いをつなぐ

アートポスト紙は、ただ光沢があるだけの紙ではありません。
“見せたい想いを支える紙”です。

急な依頼にも、時間がない中にも、
「この紙なら安心」と思える存在がある。
それがアートポスト紙であり、
印刷という仕事の本質でもあるのだと改めて感じました。