ユポ紙とは ― 紙とフィルムのいいとこ取り
ユポ紙は「紙のように扱えるプラスチック素材」です。
破れにくく、水や油にも強く、屋外使用にも耐える。
見た目は紙のようで、触るとしなやか。印刷もきれいに仕上がります。
現場にいると、「雨でも使える紙ない?」という相談をよく受けます。
そんな時、真っ先に思い浮かぶのがユポ紙です。
選ばれる理由は、“見た目”よりも“信頼性”。
今日は、私が実際に提案してきたユポ紙の現場事例を紹介します。
① 政治活動用ポスター ― 雨にも風にも負けない紙
ユポ紙は、選挙や政治活動の現場では定番です。
特に2連ポスターのように屋外で長期間掲示されるものには欠かせません。
普通の紙では、雨で波打ち、破れ、色もあせます。
しかしユポ紙なら、雨風に強く、日差しにも耐える。
さらに「ユポタック紙」と呼ばれるシールタイプは、裏面が粘着になっていて、掲示板や壁面にしっかり貼れて剥がしやすい。
政治の現場では、“メッセージを最後まで届ける”という使命を、紙が支えています。
② カーレースのゼッケン ― 車体を傷つけず、魅せる印刷
ある日、「カーレースで使うゼッケンを印刷してほしい」という依頼がありました。
話を聞くと、なんと普通紙に印刷してガムテープで車体に貼っていたとのこと。
風でめくれる、雨で破れる、テープ跡が残る――まさに現場あるある。
そこで提案したのがユポ オクトパスというタイプのユポ紙です。
車体を汚さず、貼って剥がせる吸着素材で、
しかも発色がよく、遠くからでもゼッケン番号がきれいに見える。
結果、オクトパスを採用してもらい、イベント当日は雨天にもかかわらず無事完走。
「見た目も耐久性も最高でした!」と喜ばれました。
ユポ紙は、“耐久性のための素材”であると同時に、“見せる力を持つ素材”でもあります。
③ 店舗リニューアル ― ガラスを汚さず伝える広告
最近では、店舗のリニューアル告知でもユポ紙を提案しました。
店内から車道に向けて「リニューアル中です」という大判の告知を貼りたい、との相談です。
通常のポスターをガラスに貼ると、
糊跡が残ったり、はがすときに破れたりして手間がかかります。
私は、ガラスに貼って剥がせるユポ紙を提案しました。
綺麗に貼れて、光沢もあり、屋外からも見やすい。
施工も簡単で、ガラスを汚すこともありません。
現在、クライアントの承認待ちですが、この素材の「仮設性の高さ」は、店舗運営でも重宝されています。
ユポ紙の本当の価値 ―「紙で困っていた人を助ける」
ユポ紙の強みは、スペック以上に**“現場の問題を解決できる”**ところにあります。
耐水・耐久と聞くと無機質に思えますが、
実際は、「どうすればこの人が困らずに済むか」を考えた時に辿り着く素材です。
普通紙で破れて困っている人。
ガムテープ跡で車体を痛めている人。
リニューアル期間中のPRで悩む人。
そんな現場のリアルな課題を、ユポ紙は静かに解決してくれます。
経営者として思うこと
ユポ紙のような特殊素材は、コストだけ見れば確かに高い。
でも、それでトラブルが減り、ブランド価値が守られるなら、
「安い紙より、正しい紙を選ぶ」ことの方がずっと価値がある。
印刷は、ただ刷るだけの仕事ではなく、
お客様の現場に“安心”を届ける仕事だと私は思っています。
まとめ ― 現場を知る人が、紙を選ぶ
ユポ紙は、雨や油に強いだけではなく、
「現場の困りごとを解決できる素材」です。
紙を知る人が紙を選ぶ。
その積み重ねが、信頼を生み、次の仕事を呼ぶ。
印刷の価値は、目に見えるデザインの奥にある。
ユポ紙のように、“裏で支える力”こそ、本当の印刷の力なのだと感じます。